BLOG / 住民支援・行政DX
住民に「分かるように伝える」ことも、公務員の強みになる
オンラインで手続きができるようになっても、誰もが迷わず使えるとは限りません。どのページを開けばよいのか、何を準備すればよいのか。そこで立ち止まった人に説明する仕事も、行政のデジタル化を支える大切な役割だと思います。
デジタル庁が9月11日に更新した「教える人のためのデジタル情報ひろば」を見て、改めて考えたのは、住民に分かるように伝える経験の価値です。日常的な対応だからこそ、自分の強みとしては見落としやすいのではないでしょうか。
説明する人のために、公式情報がまとまっている
「教える人のためのデジタル情報ひろば」は、デジタル機器やサービスに不慣れな人を支援する方向けのページです。マイナンバーカードやマイナポータル、安全な利用などに関する情報がまとめられています。
9月11日の更新では、詐欺メールやサポート詐欺への注意を扱う動画などが紹介されました。住民への案内を考えるとき、必要な公式資料を探す入口として使えそうです。
実際に窓口で使う際には、リンク先の資料を開き、自分の自治体の手順や相談先と合っているかを確かめておきたいところです。よく聞かれる質問をひとつ選んで調べると、普段の説明で補えるところが見つかるかもしれません。
「使えない」の理由は、人によって違う
住民が「使えない」と言っていても、どこで困っているかは同じではありません。ページが見つからないのか、準備するものが分からないのか、画面に出てくる言葉が難しいのか。それによって、必要な説明は変わります。
私は、こうした違いを聞き取ること自体が、ひとつの力だと思います。操作の手順を最初から全部説明するより、「どこまで進みましたか」と聞いた方が、相手に必要な案内ができることもありそうです。
もちろん、どこまで操作を手伝うかは、所属先やサービスの手順に沿って判断します。暗証番号などを聞き取って記録するのではなく、本人に操作してもらう部分も含めて、分かりやすく案内したいですね。
いつもの説明にも、自分なりの工夫がある
仕事を振り返るとき、「窓口で説明していました」だけで終わらせるのは、少しもったいない気がします。相手に合わせて言葉を変えた、説明する順番を見直した、よくある質問を担当者同士で共有した。そうした工夫まで書くと、自分が何をしていたかが伝わります。
たとえば、同じところで迷う人が多いことに気づき、案内文を直したとします。これは架空の例ですが、住民の話から課題を見つけ、説明を改善した経験として整理できます。
記録に残すなら、「どこで困っていたか」「自分は何を変えたか」「その後どうだったか」の3つでよいと思います。時間短縮などを測っていなければ、無理に数字にする必要はありません。分かったことと、まだ確かめられていないことを、そのまま書いておきます。
住民の個人情報や内部資料を、個人の記録として持ち出すことは避けます。自分の工夫や役割は、具体的な個人情報がなくても説明できます。
今の職場でも、その先でも活かせる経験
分かりやすく説明すること、正しい情報を確かめること、担当者が変わっても困らないように案内を整えること。こうした経験は、引継ぎや後輩への説明にも活かせるはずです。
民間の仕事に関心があれば、カスタマーサポートや導入支援などの仕事内容と比べてみるのもよいと思います。新しく覚える製品知識やツールはあっても、相手がどこで困っているかを聞き取る経験には、接点がありそうです。
公務員の強みを考えるとき、大きな事業や目立つ成果ばかりを探す必要はないと思っています。普段の説明で、相手に合わせてどんな工夫をしているか。そこにも、自分の経験を伝える言葉があるのではないでしょうか。
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引用元・参考資料
- 教える人のためのデジタル情報ひろばデジタル庁(2026年9月11日更新)