BLOG / 学び・キャリア形成
職場の外で学ぶなら、持ち帰りたい問いをひとつ決める
今の仕事を続けながら、違う考え方に触れる機会を持ちたい。そんなとき、何を受講するかと同じくらい、何を確かめに行くかを考えておきたいと思います。
人事院と内閣官房内閣人事局は9月14日、国家公務員の留学の実施等に関する状況を公表しました。2025年度に新たに留学を開始したのは463件で、内訳は在外267件、国内196件です。今月始まった留学の人数ではなく、前年度の開始件数をまとめた資料です。
資料では、研究員から、担当する政策分野について新しい知見を得たことや、多様な国の同級生との交流で視点が広がったことなどが報告されていると紹介しています。私はこの部分を読み、学びの価値は知識を増やすことだけではないのだと改めて思いました。
いつもの考え方を、別の場所から見てみる
同じ仕事を続けていると、何を優先し、どの順番で考えるかが自然に決まってきます。それは経験の強みですが、ほかの進め方を想像しにくくなることもありそうです。
たとえば、事業の利用が伸びない理由を考える場面です。広報が足りないのか、手続きが難しいのか、そもそも対象者の困りごとと合っていないのか。違う分野の人がどこに注目するかを知るだけでも、自分の問いの立て方を見直せます。
留学や大学院に限らず、他自治体の公開事例を読んだり、仕事に関連する講座で別の分野の説明を聞いたりすることにも、その入口はあると思います。大きな決断をする前に、今の仕事では触れる機会が少ない考え方を探してみたいところです。
学びたいことを、仕事の問いに変える
「政策を学びたい」「データに強くなりたい」だけだと、学ぶ範囲が広くなります。もう一歩進めて、今はうまく説明できないことをひとつ書いてみると、必要な学びを選びやすくなりそうです。
私なら、たとえば「事業の対象者に情報が届いているかを、どう確かめるか」という問いを置きます。これは考え方の例ですが、調査方法を学ぶのか、伝え方を学ぶのか、利用者の行動を学ぶのかを比べる手がかりになります。
受講先を探すときも、講座の名前だけでなく、その問いを扱う内容があるか、事例を検討する時間があるかを見てみます。いま答えが出せなくても、「何が分かれば次に進めるか」が明らかになるだけで、学ぶ目的は具体的になります。
制度の利用は、自分の所属先で確かめる
今回の公表は国家公務員についてのものです。掲載された制度を、地方公務員が同じ条件で利用できるという意味ではありません。
自治体で研修や大学院などを検討するなら、所属先の案内で、対象者、選考、勤務との関係、費用負担、修了後の扱いを確かめたいです。国の資料にも留学費用の償還に関する説明があるように、学ぶ内容だけでなく、制度を使う際の条件も判断材料になります。自分に適用される条件は、所属先の担当窓口で確認してから計画を立てるのがよいと思います。
学んだ後に、何を変えるかまで考える
学びを仕事に持ち帰るときは、他の場所の方法をそのまま取り入れるのではなく、自分の職場で使える部分を考えたいです。対象者や予算、組織の役割が違えば、同じ方法でも結果は変わるかもしれません。
受講前に書いた問いに戻り、分かったこと、まだ分からないこと、試せそうなことを短く残す。すぐに事業を変えられなくても、次の会議で確かめる論点が増えれば、学びを仕事につなげる一歩になります。
まずは、最近の仕事で説明に迷ったことをひとつ書いてみる。その問いを持って職場の外の知識に触れることが、今の仕事を深めることにも、これからの専門性を考えることにもつながると思います。
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引用元・参考資料
- 国家公務員の留学の実施等に関する状況人事院・内閣官房内閣人事局(2026年9月14日)